終末期の対応に関する院内方針
人間において『死』は避けられないものであり、誰でもいつかは迎えるものであります。
誰しも『できれば自分の家の畳の上で最期を迎えたい』と思いますが、現実としてほとんどの患者さまが、その願いはかなわず、病院のベッドの上で死を迎えております。
この度、癌の末期の患者さまを含め、死と直面する患者さまやそのご家族のお気持ちを尊重するため、院内方針をここに定めます。
終末期医療を行うにあたり、主治医は、患者さまおよびそのご家族の方々の心情を十分考慮し、十分な配慮ある分かりやすい説明をしなければならない(内容を電子カルテ内へ入力する)。
ご家族の方々の希望により、患者さまへの告知を行う場合には、その患者さまの精神状態に十分配慮しなければならない。
我々は、終末期の患者さまの苦痛、不快な症状や疼痛を和らげ、残り少ない患者さまのQOLを向上させるよう努力しなければならない。
患者さまにとって益のない検査や手術は、決して行ってはならない。
我々は、患者さまの身体的、精神的苦痛をできるだけ理解するよう努め、医療者として優しさと慈しみのある対応を心掛けねばならない。
患者さまが残された人生を、できるだけ悔いのない療養生活を送ってもらうため、患者さまご自身の自己決定を尊重しなければならない。
患者さまのご家族に対しても、優しさと慈しみのある対応を心掛けねばならない。
患者さまの状態が急変し得る状態となった場合、主治医は、その現状をご家族の方々へ、十分理解できるよう説明し、DNR(Do Not Resuscitate)(No-CPR)かどうかご家族の方々のご要望を聞き、その内容を電子カルテ内へ入力しなければならない。(その際も、ご家族の方々の心情に十分配慮した説明をしなければならない。)
ご臨終の前には、できるだけ個室を用意し、患者さまがそのご家族や大切に思っておられる人との安らかな時間が過ごせるよう、配慮しなければならない。
患者さまのご臨終の際には、できるだけ主治医が看取るものとする。
患者さまの死後の処置、ご遺体のお見送りに際しても、患者さまおよびそのご家族の方々の心情に十分配慮した態度をとらなければならない。