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耳鼻咽喉科

外来担当医表

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担当医の紹介

吉田 真也(ヨシダ シンヤ)

役職 耳鼻咽喉科医長
経歴 福井県吉田郡上志比村出身。
金沢大学医学部博士課程卒業後、福井県立病院に初期研修医として勤務。
石川県立中央病院医長、名古屋市緑市民病院部長、足立耳鼻咽喉科伏見クリニック院長などを務める。
2022年5月、当院耳鼻咽喉科医長に就任。

Bスポット治療で新型コロナウイルス感染症の後遺症を治療する

当院では、新型コロナウイルス感染症の後遺症によって上咽頭の炎症が起こった患者様に、Bスポット治療をしています。治療を行う耳鼻咽喉科医長の吉田真也医師に、詳しい治療方法や、効果が期待できる疾患などについてお話を伺いました。

新型コロナウイルス感染症の後遺症にはどのような症状がありますか?

新型コロナウイルス感染症はいわゆる風邪と同じで、急性期には咳や鼻水、喉の痛みが出て、数日で治るのが典型的です。しかし風邪症状が治まった後も、何週間、何ヶ月間と倦怠感や喉の違和感、集中力が続かない、めまい、動悸がするといった症状が続く方が一部いらっしゃいます。嗅覚や味覚が戻らないなどの症状も多いです。年齢やワクチンの摂取回数などに関わらず後遺症が起こってしまっている印象があり、はっきりとした原因は分かっていません。

有効な治療法はあるのでしょうか?

後遺症を訴える方の中には、上咽頭炎という鼻の奥の炎症が関係している方がいらっしゃいます。鼻の一番突き当たりのところを上咽頭または鼻咽腔といいます。ここは鼻から吸った空気の最初の通り道で、空気中のウイルスや菌が接触しやすく、たびたび炎症を起こします。上咽頭炎は新型コロナに限った話ではなく、風邪を引くと喉と鼻の間の周辺が痛む場合がありますが、それが上咽頭炎を起こしている状態です。すべての方に当てはまるわけではありませんが、後遺症の原因が上咽頭炎だった場合、「Bスポット治療」という方法で改善できることがあります。

Bスポット治療とはどんな治療法ですか?

Bスポットに炎症を抑える薬を直接塗布する治療法です。Bスポットとは上咽頭のことで、鼻咽腔のBを取ってそう呼ばれています。方法は、口を開けた状態で、金属の棒でできた咽頭けんめんしを喉ちんこのさらに奥まで入れ、先についた綿で上咽頭をこすり、消炎作用と殺菌作用がある塩化亜鉛を塗ります。薬を塗る時間は10秒程度で、炎症がひどくなければそれほど痛みはありませんが、喉の反射が強い方は吐き気を催すことがあります。早い方では当日や翌日から症状の緩和が見られます。治療は週1〜2回程度で、まずは10回程度を目安に行います。症状がひどいと、治療前の観察では上咽頭が真っ赤に腫れて黄色い膿が付いていたりしますが、治療をするうちに赤みがとれ、膿がなくなった方もいらっしゃいます。

―だるさや倦怠感などの症状にも効果があるのでしょうか?

Bスポット治療は新型コロナウイルスが流行する前から行われている治療法です。喉の違和感や鼻水が喉に落ちてくる後鼻漏の症状、頭が重いとか、肩こりなどの症状にも効くと言われています。また、上咽頭の近くには自律神経がたくさん走っています。コロナウイルスによって上咽頭に炎症が起き、自律神経のバランスが乱れてしまったことで、だるさや倦怠感などの症状が現れたとも考えられます。そのため、Bスポット治療で上咽頭を刺激することで、副交感神経を刺激して自律神経のバランスが整えられ、だるさや肩こりなど全身の症状に効果があるとされているのです。

患者さまにメッセージはありますか?

新型コロナウイルス感染症の後遺症にははっきりしない症状が多く、病院で相談をしても「様子を見ましょう」というケースがかなり多かったのではないでしょうか。全ての症状に上咽頭炎が当てはまるわけではないのですが、上咽頭を観察して炎症があった場合はBスポット治療が受けられます。後遺症があって悩んでいる方は、ひとまず耳鼻科で検査だけでも受けて、治療の適応があるかどうか調べてみてはいかがでしょう。検査も細いカメラを鼻から入れるだけでそんなに辛くはなく、数分でできます。患者さまの中には、「数ヶ月様子を見てもすごくだるくて、仕事に行く気がしない」と受診される方がいらっしゃいますが、Bスポット治療を受けることで改善し、「長く悩む必要はなかったね」という方もいました。まずは検査だけでも受けてみてもいいかもしれません。

 
新型コロナウイルス感染症の主な後遺症
  • 倦怠感
  • だるさ
  • 疲労感
  • 喉の違和感
  • 咳・頭痛
  • 集中力の低下
  • めまい、耳鳴り
  • 動悸、息切れ

など。これらの症状がある場合は一度ご相談ください。